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#粥の思考メモ

160908

All You Need Is Kill ハリウッド版 (いまさら)観た話

 

制作決定の速報から公開中の広告まで観ていたけど、なんとなく観れてなかった作品が、先日金曜ロードショーで放映されていたので録画を観た。

原作者の桜坂洋作品は周りの友達だれもが知らない、感想を共有する環境もないときから読んでいた。ジャンプスクエアよくわかる現代魔法が漫画化されて、中学の頃にはひとりだけ部活内に桜坂洋作品の話ができる友達ができたけど、わたしはよくわかる現代魔法に関しては漫画化される前、まだ小学生のときから手に取っていたし、周りの友達がキノの旅とか貸し借りして読んでた時期におまえらこんな作品知らんだろう…!と我が物顔で読んでいた。そしてドはまりした。感化されてちょっとHTMLとか2進法とか勉強したし、なんならホームページも一から自分で作った。小学生ながらあのときが一番IT知識深かった気がする。

本屋で棚積みされていた1巻をたまたま見つけて、たまたま手に取って、なんとなく読み始めて、それから発売中の全巻揃えて、1年とか2年とか経って忘れた頃に続編が知らない間に販売されているのを近くの本屋さん(いまはもうない)で見つけて飛び跳ねたり、もしかしたら自分でした一番初めてのインターネットでの買い物は「スラムオンライン」だったのかもしれない(届いたときは宝物を見つけたみたいにドキドキした)。

All You Need Is Killよくわかる現代魔法を読み切って、スラムオンラインを買う前に読んだから、小学生か…中学1年のときとかに読んだんだと思う。忘れられない作品ってほど感銘を受けたわけじゃないけれど、一度読んだだけじゃ意味が分からなくて、何度も読み返したからその分イメージは完全にできあがっている。

なのに!!

なのに6年とか経ってからの実写映画化。そしてハリウッド。なぜ…。発表時初めて桜坂先生のお顔を拝見したし、Twitterも見た。リメイク作品って基本的に苦手だし、録画を観始めて30分くらいもずっとdisっていた。まずケイジがごりごりの欧米人。そんでもってシルバー。なぜ!!ケイジは新兵でまだ若くてたぶんハタチにもなってなくてそんでもっとダサい顔と髪型のはずだしまず日系だ(と思う)し…。スーツの表現はまあ許せる。もっとかっちょよかったら文句ないのだけれど。なにより一番気に入らないのはギタイ…!なぜそんなアメリカ映画みたいなよくわからんフォルムになってるん…(アメリカ映画だからだ)。とにかくどっかで見たことあるっていう手足。硬そう…。ギタイってカエルの溺死体って設定じゃないですか…。もっとぶよぶよしてて水含んでてどっしりしててくっそ重そうなのが奇妙で気色悪くて怖さを引き立ててるんじゃないですか。しかもなんか銃弾?打っとる。そんなんだったっけ…これだからリメイク作品は!すでにイメージできあがって楽しんでいるものを乱さないでくれ…!

っていう感想が初盤(もっとリタはおぼこい顔つきがいいとかリタのメタリックレッドの塗装はもっと錆みたいな色感だしてほしかったとかなんでそんなちょっとかっこよさげなデザインにしちゃったんもっと乱雑に全体的に塗ってほしかったとかバトルアクスってもっと大きいイメージだったしシャスタのポジションが変なオッサンになってるのが一番ショックだったし文句はほかにもいろいろあるけども)(いや逆に変にシャスタに寄せられてても絶対文句言ってたからあれはあれで収まりよくっていいや…)(今思い返してもシャスタはいいキャラデザしてるし、大きくて武骨なメガネにダサい三つ編みにドジっ娘に敬語に大きなスパナって良すぎるし逆にたぶん小学生のときとかからそんなもんにどっぷりはまってたから今の性癖構成されてる感はある)。

ループが始まってからはテンポもよかったし、でも話に違和感ないし、戦闘シーンすごいし、なんやかんやで結構引き込まれたなあ…。2時間にすっきりストーリーおさまってたし散らかってるのはほんまに最初のトムクルーズがいきなり戦場にいかなあかんってなるとこだけだったし、ケイジとリタのキスシーンもアメリカ産にしてはすっきりしててリタっぽくってよかった。コーヒーネタとかがなってる人間が真っ先に死んでたり、古株がケイジみてびっくりするシーンとか原作ファン楽しめる要素も散りばめられてたしね。あと3回目のループのオチとか結構くすっときた。

いや…なんやかんやでハリウッド版…よかったなぁ…。

 

 

160402

あすかちゃんの生きてるスピード感が興味深かった。
私は目的地にしか目標がなくて、偶然の発見にかける時間を持ってなかった。かけようとも特に思ったことなかった。
1人でどこかに行くことはよくあって、好き。自分の都合だけで動けるし、気を遣わなくていいし、楽で。会話が途切れたらどうしようとか、仲良くできなかったらどうしようとか、びくびく行く前から恐がってた。結局楽やし1人で行ってたんやけど、今回で誰かと一緒に行くことの良さをたくさん発見できた。
会話を途切れさせないためにどうしようとか、仲良くするためにはどうしたらいいんやろうとかって、そんなのどうでもよくって、会話は途切れたらそれでいいし、相手がそれを不満に思う人ならたくさん話そうとしたらいいけど、そんな人ってあんまりいないし。仲良くするためにどうしたらいいんやろうは、方法というよりも、相手の波長に合わせたらいいだけなんやって気づいた。相手が心地よいと思う時間の使い方であったり、会話の内容であったり、ひとつひとつ感じ取って、分からなかったら聞いて、その波に乗っていったら相手も自分も気持ちいいんかなって。私にとってその作業は苦痛ではないし、そんなにしんどくないんやって気づいた。
きっと今までの21年間で、何か今苦手やと思ってることの原因を経験していて、本能的に学習していて、頭でそれに気がついてないんやって知った。誰かと一緒にいることに苦痛を感じたことがきっといつかあって、だから今苦手やと思ってるけど、実はやだなって思ったのはその瞬間だけで、引きずる必要なんかなくって。相手が変わったり環境が変わったり、昨日は難しかったことも、今日は平気でできたりして。文章書くことも元々は好きやったはずやのに、活字は今でも大好きなのに、どこか苦手意識を持ってるのは原因の経験をしているからで、でも今日はうまくできるかもしらんねんな。
あすかちゃんのスピード感に乗っていくのは新しい発見がいっぱいあった。バズるツイートとか、上手な写真とか、そういう発見って自分の身を置いている場所に問題があるのではなくて。素敵な場所に行けば手に入れられるものかというとそうでもなくて。今まで理解できてなかったけど、ほんまに身近に価値は眠ってる。それに気がつけるかどうかってよくいうことやけど、分かった。ほんで、それを見つける方法も何となくわかった気がする。
田舎と都会の話。比較的田舎に育ったから、ずっと都会への憧れがあった。都会は素敵な映画とか、舞台とか、作品とか、たくさん公開されてて、それらにすぐ触れられる環境にないこととか、発見できる情報の絶対数の多さを羨ましがってた( 街中で見かけられる広告ひとつとっても、都会は量が多いから響くものがすぐに見つけられるけど、田舎はそもそも広告が少ないからすぐにはないこととか )。でもその分都会は情報が多すぎて、無意識に取り込む情報を取捨選択をしていて、見逃してるものもたくさんあって。田舎は触れられる絶対数は少ないけど、その分都会では見過ごしてしまうような小さな発見にも丁寧に向き合える。
そんな小さな発見に出会おうとしている人間になれたらもっと豊かになれる気がした。それが私のスピード感ではなかなか気がつけなかったことで、気がつけないことにモヤモヤを感じていて、でもほんま簡単に、あすかちゃんと一緒に旅行したってだけでそんな大発見があって、これをもっといろんな人と経験したら、なんて理解が早くなれるんやろう!
確かに、自分とは違うスピード感に、イライラしてまう人もおるかもしらん。うまく折り合いつけられんかもしらん。それで悩んでる人もおるかも。そんなんも1人で旅行してたら気付けへんかったこと。
それに、自分の気づきをすぐに言葉にできて、フィードバックがもらえるのもよくある話やけどやっぱりありがたかった。それで、自分の今の苦手意識なんなんやろって考えに至れたし、その分濃い思考ができた。目的地に行くだけで終わりにならんかった。今までもったいないことしてたなぁ。友達と旅行行くだけなんバカにしてたけど改めよう。
私はすぐになんでなんでって考えるところがあって、世の中の動きみたいな、根本とか原因とか中心にすごい興味ある。それに付き合ってもらえるのも嬉しかった。
最近自分の普通さ平凡さを大事にしたいと思えるようになってきた。今まで人と違う人間になりたくて、ならなあかん気がしてて、変わったことしたくて、でもなりきれなくて、自分の良さとか全然見つけられんかった。普通に見られるんを恐がってた。でも、私の考えてることって他にもたくさんの人が考えてるんやと思ったら、たくさんの人の考えてることを一気に知れるってことで、そこにすぐ焦点合わせられるってことで。世の中へのAIM力高め。
なんでなんでって考えるとことか、概念的やったり哲学的やったりする話が好きなところとか、なかなか受け入れてもらえなくて一般に合う人間になりたいって悩みも、もっと変人さを極めたいって悩みも、あんまり意味なくて。だってどっちにももうなれるから。どっちも簡単に受け入れてもらえるから。そんな素敵な人がたくさんいることに気がついた。
他にも表現の話とか、ルーツの話とか、考えたけど、今日はもうおやすみなさい。